「本当、まじでごめん」

「ううん、じゃあ、これで」

 そう言って河内くんと別れようとすると、彼は不思議そうに首を傾げた。

「あれ、五十嵐どこ行くの? そっち教室も食堂もないけど……」

「うん。ちょっと用事があって」

「そっか」

 河内くんは男子だけど彼の口から日野くんと食べていることや、どこで食べているかを皆に知られてしまったら日野くんがゆっくりご飯を食べる場所がなくなってしまう。