雑誌の付録を切り取っていると八百屋のおじさんが心配そうな目を向けた。 「はい! 私はレシピだけ手に入ればいいので」 「そっか、ありがとね」 「ありがとう瑞香ちゃん!」 「ううん気にしないで。……それにこちらこそ、じゃがいもとアスパラ、ありがとうございます!」 私は美耶ちゃんに雑誌を渡し八百屋を後にする。袋の中には新鮮なアスパラやジャガイモがぎっしりと入っていて、私は浮き立つ気持ちで帰路を急いだのだった。