「うん。ありがとう」

 日野くんは眩しげに目を細めている。ペンケース、可愛いな。すごく嬉しい。間違っても落としたりしないよう包みにしまっていると、彼の表情がまた深刻なものに変わった。

「どうしたの?」

「……申し訳ないんだけどさ、俺がそれあげたこと、内緒にしててくれないかな」

「あ、それは勿論、そうするよ! 大丈夫、安心して。噂になったら大変だもんね」