今までは、「もう少しでこの生活も終わりかぁ」なんて軽い気持ちだったけれど、あの集会が終わってからはこれが、時間の流れだとは思えないようなスピードで時間がすぎ、今日は卒業式の5日前だ。
「先生は、このみんなと一緒に何か形に残るものを作って残したいと思うんだけれど、みんなどう思う?」
進級後から変わらなく頻度が多い学活の時間に樋口先生は言った。
それ、いい!という声がどこからか上がった。私もこの学級で思い出が形に残ればまた思い出せるからそれは名案だと思った。
「それで、何かできるか考えてみたんだけど…みんなのプロフィール帳を作ろうかと思って。ついでに、よくあるみんなのランキング!みたいなものとか。もちろんみんなが何か他にしたいことがあったら、それも出してほしい!」
ランキングというのは、将来モデルになっていそうな人、とかテレビに出ていそうな人、などのお題に沿ってクラスでどの人が一番それにあっているかをアンケートするものだ。
「面白そう!」
「やってみたい!」
そんな声が多く上がり、この案は即決した。
楽しみだなぁ。
「…それと、もう一つ。最後だから、一人ずつ面談をもう一回したい!」
みんなの反応はそれぞれで、やりたい子もいればやりたくなさそうに頷く子もいた。私は、話せることなら話したいと思った。でも、どこかで嫌だと思うところもあった。それは、私自身がうまく話せないからだ。いつも笑って誤魔化したり、思わぬ失敗をすることがある。それで、緊張していた。
「それで、時間がもうないから今日からやりたいと思う。みんなよろしく!」
うわぁ、マジかー…。
今日はまだ心の準備ができていないからやめてほしい!と思ったが、幸い出席番号順で私は明日にやることになった。
そして、翌日。緊張でなかなか眠れなかったなんて絶対に誰にも知られたくない。
一つ前の順番の子に、次だよと言われて緊張がバレないように「うん」と言った。教室とは一つ隣の空き教室に行く。
椅子に座って、先生と対面になる。ヤバい、緊張でもうおかしくなってきた。
「華花さんとは、直接というより自学ノートのコメントで会話することの方が多かったような気がします。小説、面白かったですよ。」
あの小説を書いたあと、先生とはその感想や他の話でも話すことが増えていた。これを、会話と呼べるのかはよく分からないが。
「それと、伴奏お疲れ様でした。遅くなってしまい、ごめんなさい!」
「あ、いえ、大丈夫です。有難うございます。」
「本当に華花さんからは学ぶことがたくさんありました。尊敬します。」
「あ、えっと…いえ…」
そんなことないです。私こそ尊敬するところばかりです。そういえたらよかったのに、心の中ではそう思っていても口には出せなかった。
「じゃあ、次の人を呼んできてくれませんか?」
ということで、少々短めの面談は終わった。
そのあと、学活の授業で先生が作ってきてくれたスライドショーを見た。THE青春!と言わんばかりの音楽と一緒に、私たちの写真が次々と流れてくる。
そして私は序盤から、涙が出ていた。樋口先生の性格通りで少しボケる画像もあって笑う子がほとんどだったが話私は、笑いたくても笑えず号泣した。
なんていい先生に出会えたんだろうと心の底の底から思った。
その日、放送委員の当番で全校放送をしなければいけないのにそれまでに冷静になれず、うまく声が出せなかった。家に帰って、弟に指摘された時は恥ずかしかった。
なんだか今日は、色の濃い1日だったように思う。
「先生は、このみんなと一緒に何か形に残るものを作って残したいと思うんだけれど、みんなどう思う?」
進級後から変わらなく頻度が多い学活の時間に樋口先生は言った。
それ、いい!という声がどこからか上がった。私もこの学級で思い出が形に残ればまた思い出せるからそれは名案だと思った。
「それで、何かできるか考えてみたんだけど…みんなのプロフィール帳を作ろうかと思って。ついでに、よくあるみんなのランキング!みたいなものとか。もちろんみんなが何か他にしたいことがあったら、それも出してほしい!」
ランキングというのは、将来モデルになっていそうな人、とかテレビに出ていそうな人、などのお題に沿ってクラスでどの人が一番それにあっているかをアンケートするものだ。
「面白そう!」
「やってみたい!」
そんな声が多く上がり、この案は即決した。
楽しみだなぁ。
「…それと、もう一つ。最後だから、一人ずつ面談をもう一回したい!」
みんなの反応はそれぞれで、やりたい子もいればやりたくなさそうに頷く子もいた。私は、話せることなら話したいと思った。でも、どこかで嫌だと思うところもあった。それは、私自身がうまく話せないからだ。いつも笑って誤魔化したり、思わぬ失敗をすることがある。それで、緊張していた。
「それで、時間がもうないから今日からやりたいと思う。みんなよろしく!」
うわぁ、マジかー…。
今日はまだ心の準備ができていないからやめてほしい!と思ったが、幸い出席番号順で私は明日にやることになった。
そして、翌日。緊張でなかなか眠れなかったなんて絶対に誰にも知られたくない。
一つ前の順番の子に、次だよと言われて緊張がバレないように「うん」と言った。教室とは一つ隣の空き教室に行く。
椅子に座って、先生と対面になる。ヤバい、緊張でもうおかしくなってきた。
「華花さんとは、直接というより自学ノートのコメントで会話することの方が多かったような気がします。小説、面白かったですよ。」
あの小説を書いたあと、先生とはその感想や他の話でも話すことが増えていた。これを、会話と呼べるのかはよく分からないが。
「それと、伴奏お疲れ様でした。遅くなってしまい、ごめんなさい!」
「あ、いえ、大丈夫です。有難うございます。」
「本当に華花さんからは学ぶことがたくさんありました。尊敬します。」
「あ、えっと…いえ…」
そんなことないです。私こそ尊敬するところばかりです。そういえたらよかったのに、心の中ではそう思っていても口には出せなかった。
「じゃあ、次の人を呼んできてくれませんか?」
ということで、少々短めの面談は終わった。
そのあと、学活の授業で先生が作ってきてくれたスライドショーを見た。THE青春!と言わんばかりの音楽と一緒に、私たちの写真が次々と流れてくる。
そして私は序盤から、涙が出ていた。樋口先生の性格通りで少しボケる画像もあって笑う子がほとんどだったが話私は、笑いたくても笑えず号泣した。
なんていい先生に出会えたんだろうと心の底の底から思った。
その日、放送委員の当番で全校放送をしなければいけないのにそれまでに冷静になれず、うまく声が出せなかった。家に帰って、弟に指摘された時は恥ずかしかった。
なんだか今日は、色の濃い1日だったように思う。



