翌日の学校で、私はまさに自分が天狗になっていることを実感した。
「ねえねえ華ちゃん!…ここ教えて?」
算数の時間。蘭々ちゃんに算数の問題を教えてほしいと言われた。
「うんとね…ここは…」
「華花ちゃん、ここの問題なんて書いたか教えてほしいんだけど…」
国語の時間。クラスの女の子にそう聞かれた。
「この問題は、問題の文章から抜き出して答えたよ。」
「華花さんはすごいところがたくさんありますね。僕も尊敬してしまいます。」
そして、先生にまでそう言われる。
そうやって、順風満帆な生活を送ってきたから私は調子に乗っていたのかも。いつでも周りは私を褒めてくれると安心して。
だからこそ、昨日あの記事を読んで一番に自分自身が思い当たったのだ。本を読んで知識を増やしていくことにはデメリットもつきまとうと言うこと。そして、本を読むことで、そんなデメリットがあるなんて知ってしまったことが唯一の後悔だった。
『天狗』なんて言葉は無関係だと思っていたのに…
もうこれは直す以外にないと思い、今までの生活を見直すことにした。
まずは、私が褒められたときに感じる感情と仕草だ。
「よーし」
感情に気づくために、褒められることを待っていたのだが待つ間もなくその時はやってきた。
「華花って、いつもなんでそんなに頭いいの?ほんとに羨ましい〜。」
「あ、ありがとう。」
出てきた感情は、二つ。
なんか、申し訳ないなー。と、やっぱり〜?だ。
申し訳なく感じるのは、褒められたことに対して上手い返しができないからだ。大体「あはは…ありがとう」で終わる。もっと面白い返しができれば楽しくなるだろうに。後者のやっぱりと言うのは、完全に天狗になっているといっていい。
自分が直そうとしていることなのに実際に感じてみるとショックだった。
面白く返すために色々考えて、私は天狗と同時に人見知りも直そうと思う様になっていた。私も静葉とか蘭々ちゃんみたいに話せればいいと思ったから。
練習として、静葉と話してみた。
「華っていっつも先生に褒められていいな〜、しかも可愛いし!愛しの華だ〜」
来た。いつものラブメッセージ。
「え〜知ってるー」
本気に捉えられると困るから、ギャグっぽく聞こえる様に言ってみた。
「あはは!いいね〜」
静葉はいい感じに捉えてくれたみたい。良かった。
ただ、問題は静葉以外だ。人見知りを突破できるか⁉︎
「華花ちゃんて、いつもすごいね!今度理科教えてほしいなー。」
「え〜そう?今度一緒に勉強しよ?」
その子はうん!と嬉しそうに違う友達の方へかけて行った。
私も、教科書を準備したりノートを書いたりしていると、
「はーなちゃん!今日もかわいいね!」
そう言ってくれるクラスの遥ちゃんも私以上に可愛くてオシャレなのに、いつもそう言ってくれる。よし、今言ってみよう!
「知ってる〜、ありがと!でも、遥の方が可愛いよ!」
「あはは…。マジ?ありがと!」
今の反応はまずかったかもしれない。普段冗談すらも言わない私が急にそんなこと言い出したら、本気にしちゃうかな…。話し方に、戸惑っている感じがした。
これは、まずいかも…
でも、幸い次の日に遥ちゃんや他の子が私に話しかけるのを躊躇う様子はなくて普段通りだった。私は安堵のため息を漏らした。
「ねえねえ華ちゃん!…ここ教えて?」
算数の時間。蘭々ちゃんに算数の問題を教えてほしいと言われた。
「うんとね…ここは…」
「華花ちゃん、ここの問題なんて書いたか教えてほしいんだけど…」
国語の時間。クラスの女の子にそう聞かれた。
「この問題は、問題の文章から抜き出して答えたよ。」
「華花さんはすごいところがたくさんありますね。僕も尊敬してしまいます。」
そして、先生にまでそう言われる。
そうやって、順風満帆な生活を送ってきたから私は調子に乗っていたのかも。いつでも周りは私を褒めてくれると安心して。
だからこそ、昨日あの記事を読んで一番に自分自身が思い当たったのだ。本を読んで知識を増やしていくことにはデメリットもつきまとうと言うこと。そして、本を読むことで、そんなデメリットがあるなんて知ってしまったことが唯一の後悔だった。
『天狗』なんて言葉は無関係だと思っていたのに…
もうこれは直す以外にないと思い、今までの生活を見直すことにした。
まずは、私が褒められたときに感じる感情と仕草だ。
「よーし」
感情に気づくために、褒められることを待っていたのだが待つ間もなくその時はやってきた。
「華花って、いつもなんでそんなに頭いいの?ほんとに羨ましい〜。」
「あ、ありがとう。」
出てきた感情は、二つ。
なんか、申し訳ないなー。と、やっぱり〜?だ。
申し訳なく感じるのは、褒められたことに対して上手い返しができないからだ。大体「あはは…ありがとう」で終わる。もっと面白い返しができれば楽しくなるだろうに。後者のやっぱりと言うのは、完全に天狗になっているといっていい。
自分が直そうとしていることなのに実際に感じてみるとショックだった。
面白く返すために色々考えて、私は天狗と同時に人見知りも直そうと思う様になっていた。私も静葉とか蘭々ちゃんみたいに話せればいいと思ったから。
練習として、静葉と話してみた。
「華っていっつも先生に褒められていいな〜、しかも可愛いし!愛しの華だ〜」
来た。いつものラブメッセージ。
「え〜知ってるー」
本気に捉えられると困るから、ギャグっぽく聞こえる様に言ってみた。
「あはは!いいね〜」
静葉はいい感じに捉えてくれたみたい。良かった。
ただ、問題は静葉以外だ。人見知りを突破できるか⁉︎
「華花ちゃんて、いつもすごいね!今度理科教えてほしいなー。」
「え〜そう?今度一緒に勉強しよ?」
その子はうん!と嬉しそうに違う友達の方へかけて行った。
私も、教科書を準備したりノートを書いたりしていると、
「はーなちゃん!今日もかわいいね!」
そう言ってくれるクラスの遥ちゃんも私以上に可愛くてオシャレなのに、いつもそう言ってくれる。よし、今言ってみよう!
「知ってる〜、ありがと!でも、遥の方が可愛いよ!」
「あはは…。マジ?ありがと!」
今の反応はまずかったかもしれない。普段冗談すらも言わない私が急にそんなこと言い出したら、本気にしちゃうかな…。話し方に、戸惑っている感じがした。
これは、まずいかも…
でも、幸い次の日に遥ちゃんや他の子が私に話しかけるのを躊躇う様子はなくて普段通りだった。私は安堵のため息を漏らした。



