2回目の出会えた奇跡というものは

練習を重ねていったら段々上手くなってきて全体のまとまりが見えてきた様に思う。(先生に聞かれても恥ずかしくないくらいには)
歌の方もだいぶ練習したおかげでいい感じになってきた。そして今日は初めて歌と伴奏を合わせる日だ。だから朝から緊張が抜けない。今までだって同じことをやってきたのにこの日はいつも緊張する。手が止まるんじゃないか。ど忘れするんじゃないかと。
「でも、そんなことじゃいけないよね?大丈夫だって。」
小声でそう言う。
大丈夫だと言い聞かせるこの時間は委員長立候補の時と似たような雰囲気だった。

「これで授業を終わります。」
「終わりまーす。」
今日は一度もミスすることなく終わった。
「やっと終わったぁ。」
心の底から安堵する。初めが肝心だと言うことは分かっているから。
「華ちゃーん!めっちゃ上手だった!マジ凄い!」
「ほんと、それ!私もピアノやってるけど絶対華花みたいに弾けないもん。」
蘭々ちゃんを含めた数人の女子が来て片付けを手伝いながら、そんなことを言ってくれた。
「そんなことないよ!でも、ありがと。」
「うん!華ちゃんなら大丈夫!」
「だよね〜、華花ならいける!」
元気いっぱいの二人を見ると私も自然と笑顔になった。
「ありがとう。」
なんでこんなに人を褒めるのが上手なんだろう。やっぱみんなは凄いな。
そう思えた1日だった。