次の日、蘭々ちゃんが用事があるらしくどうせ一人なのだからと、休み時間に伴奏の練習をすることにした。先生に許可を貰えば、音楽室が使えるので私は早速許可をとって練習を始めようとした。音楽室へ向かう私の隣には樋口先生がいる。

なぜかというと、私が許可を取りに先生を訪ねたときに…
「せっかくだし、少し聞いていってもいい？」
と言われてしまったからだ。
まだ半分譜読みしただけで弾けないのに、と思いつつ、
「あ、いいですよ。」
と、承諾してしまった。それで今に至る。

そのこと自体は別にかまわないものの、教室から音楽室の間がなんか気まずい…。
普段人と話す機会が少ない私にとっては、地獄と何ら変わりない。話題を見つけられないし、そもそも先生と生徒ってそんなに雑談をするような関係じゃないとも思う。
ああ、こういう時に誰か隣にいてくれたらな。このままじゃあ、ピアノを弾いている時も気まずいままだろうな。

その後、私の予想は的中した。