2回目の出会えた奇跡というものは

小説が終わって気がついたらあっという間に前期が終わろうとしていた。私の学校は前期後期の二期制の為、前期が終わるともうすぐ卒業かと感じる。
「ふー…」
ため息をついてからあっ、と思う。いつもの癖だ。こういう子がいると気分が沈むのはわかるけれど癖なので簡単には直らない。



いつもの様に蘭々ちゃんに誘われてドッヂボールをしに行く。最近は一年前くらいから仲良くなった、転校生の純恋ちゃんとも仲がいい。この名前凄いなと毎回思う。名前に恋っていう字が付いてるなんて…新鮮だ。
これですみれって読むんだから…いい名前だと思う。
「…痛っ」
そんなことを考えているうちに当たってしまったようだ。幸いボールは柔らかいゴム製のボールだった為、声は出たがあまり痛くなかった。
素早く外野に移動する。
行ってみて気がついたことだが、先生も男子に当てられていたみたいだ。普段は男子対女子で行っているが先生は女子へのハンデで女子チームに入っている。白熱した試合だ。
外野は私と先生以外にも三人程の女子がいた。
あまり、本気そうではないが楽しんでいるようだった。
「よし。」
誰にも聞こえないくらいの小さな声で気合いを入れて、構える。早めに内野に戻りたいのだ。
内野のボールを目で追っていると先生がこちらに近づいてきてこう言った。
「華花さん、後期の委員長やらない?」
と。
「…えっ」