2回目の出会えた奇跡というものは

ノートを提出して、完成作品を読んだ先生がノートを持ってきて言った。
「これ、本当に良かった。面白かった。」
嬉しかった。動揺しながらお礼を伝えてノートを受け取った。
目が…真っ直ぐだった。輝いていた。
嘘とは思えない真っ直ぐな瞳だった。それはとても、美しく見えた。


家に帰って何となく小説を書いた自学ノートを開いた。何となくじゃなくて、感想が書かれているかもしれないという期待だったのかもしれない。

『華花さん、この小説とても読みやすくて面白かったです。ハッピーエンドかと思いきや…って所が良かったです。
小説家、華花さんのファンより』
「うわぉ…マジか…」
予想外だった。一言あればいいなって思ってたのに。
しかも、小説家華花さんのファンよりって…
樋口先生何者?普通怒るとこじゃないか?
嬉しすぎるんだけどさ…動揺っていうか。
しばらく思考停止した後ノートを持って擬音語で表せば、そうだな。チーンて感じ。
ヤバいとしかいいようがないって言うか。
うん、ヤバいわ。
「ふー…」
その文字の下に、『ありがとうございます。嬉しいです』とだけ書いて勢いよくノートを閉じた。