翌日、いつもの様に休み時間を一人で満喫しようと読みかけの本を取り出す。
それで、何処からだっけな…
「華ちゃん！」
「え？」
驚いて顔を上げると席が近い、蘭々ちゃんがいた。
「華ちゃん、うちらと一緒にドッヂ行かない？」
え、今誘ってくれた？私を？
蘭々ちゃんが？全然話さないのに？
段々現状を理解して言って、蘭々ちゃんが困らないうちに「うん。ありがとう」と言った。
蘭々ちゃんの周りにはいつも、沢山人がいる。
男子も女子も。特に仲良さげなのは花楓ちゃんと、柚ちゃんだけど。
よく漫画で目にする、頭の上にハテナが見える時と同じように私の頭の中はハテナで埋め尽くされていた。
その後、普通にクラスのみんなとドッヂボールをして一日が終わった。

その日以降、毎日「おはよう」も「遊ぼ！」も「また明日ね！」も言ってくれるようになった。
何処か、早く明日にならないかと待ち望む自分がいた。