2回目の出会えた奇跡というものは

「華花さん、この間の物語一番良かったよ」
国語の時間に先生に言われた。
物語というのは、前回の国語の時間で書いたものだ。教科書に載っている写真を見て連想された物語を書くというものだった。
私は夜空で親子らしき二人が指をさして見上げている写真を選んだ。そして、病院で心臓病の男の子を主人公に四百字程度の短編小説を書いたのだ。それが好評だったらしい。
私は幼い頃から本が好きだった。家の本棚には二百冊程の本が入っていて、学校にも自分の本を持ってきている。何故なら図書館の本があまり合わないからだ。本を読んでいる時間は本当に安心した。
現実逃避が出来たり、
主人公の人柄に思いを馳せたり、
とにかく楽しいのだ。
そして、授業以外でも何となく書いて見た事が少しあった。それを褒められるといつもの何倍か嬉しかった。