「…へ?いや、えっと、私が行ってもお邪魔なんじゃ…」


「たしかに邪魔だけど、今から行くのは遊園地だから。このイケメンが一人でジェットコースターとかメリーゴーランドとか乗ってたら、みんなの笑いものになっちゃうでしょ?私は咲久にそんな思いをしてほしいわけじゃないの。見たところ、あんたは咲久のことなんとも思ってなさそうだし恋のライバルってわけでもなさそうだから。無害だと判断したから、見えない私の代わりとして咲久の同伴者になって」


「え、ええ…!」



たしかに私は高峰くんのことをなんとも思ってはいない、けど…。


ずきっと胸が痛んだ気がして、ふと首を傾げる。


…なんだろう。この感じ…。



「聞いてんの?」


「あ、うん。わかったよ…」



渋々頷くと、紫乃ちゃんはパッと笑顔になり「じゃ、行こう」と高峰くんの腕を引っ張っていた。


高峰くんはまた私が断れなかっただけなんじゃと心配そうに視線を向けてきたが、大丈夫だと笑いかける。