「涼花、これはどういうこと!?」



お母さんの手に持っているものは…この前の英語の小テストだ。


しかもかなり結果が悪かったもの。



「23点って…どうしたらこんな点数取れるわけ!?都立落ちて併願の高い私立行かせてあげてるのに、なんなのよこれは!しっかりしなさい!」



パシッと音が響いた後、左頬に痛みが走った。



「ちょっと、朝から何してんの」



サラサラの黒髪をポニーテールにした、一個上の姉、沙絵(さえ)が私をチラリと一瞥して通りすぎた。



「はぁ…少しは沙絵たちを見習ってほしいわ」



お母さんは深くため息をつくと、洗濯物を干しに外に出ていった。