ハッと顔を上げると、有紗は泣きそうになるのを我慢しながら笑っていた。



「謝るのは私の方じゃん。涼花が私の悪口なんて言うわけないってわかってたのに、ちゃんと信じられなかった。そんな嘘に騙されて、涼花のこと大嫌いとか言って傷つけたのは私の方だよ。涼花はいつも本当のことしか言ってなかった。私は誰に何を言われても涼花だけを信じるべきだったのに…。…友達失格だよ」


「そんなことない…!友達失格なのは私の方。苦しんでいた有紗に気づいてあげられなかったんだから…」



突然有紗がぎゅっと抱きついてきた。


その温かな温もりに驚いて目を見開くと、有紗と私の体から金色の光が放たれていたことに気づく。



「涼花とおばあちゃんになってもずっとずっと一緒にいたかった。こんなくだらないことで喧嘩して、死んじゃって、ほんと馬鹿みたい。なんでもっと素直になれなかったんだろ。なんでもっと涼花に頼ろうとしなかったんだろ…」



友達、ううん親友だった。


それなのに私たちはどこですれ違ってしまったんだろう。


どうして有紗が死ぬまで、この日々が当たり前じゃないことに気づけなかったんだろう。