涙を流して駆けていく背中に思わず手を伸ばしたが、同時に、トラックのブレーキ音が耳をつんざいた。


咄嗟に両手で耳を塞いだが、何かがぶつかった鈍い音ははっきりと私の元まで届いてきた。



「どうして…」



小さくそう呟き、私の意識はそこで途切れた…。






バッと飛び起きると、そこは見慣れた私の部屋だった。



「夢…」



どうして今頃この夢を…。



気分を変えるように軽く頭を振り、制服に着替えて下に降りる。


洗面所で顔を洗ってからリビングに行くと、お母さんがキッと私を睨みながら振り返ってきた。