「鈴宮涼花!」



顔を覆っていた手を強く引っ張られて、汗だくになりながら息を切らせている高峰くんの姿がぼやける視界に入ってきた。



「どうかしたか?なにかあったか?」


「…ちが…っ」



優しく高峰くんが背中をさすってくれて、余計に涙が溢れて止まらなかった。



「全部出し切っていいよ」


「う…っ、うええん…っ」



こんなに泣いたのは、有紗が死んでしまった次の日ぶりだった。


高峰くんは私が泣き止むまでずっと黙ってそばにいてくれた。



「…ごめんね、急に泣いちゃって」