「…え?」



振り返ると、さっきの笑顔は嘘だったかのような冷たい瞳をして見下ろしてくる高峰くんが立っていた。



「なんで断んないんだよ。言いたいことはっきり言えねぇのかよ?俺が頼んだときも、合コンの話だって。嫌なら嫌と言えばいいだろ」



…わかっている。


わかっているけど、だけど、私はそれができない。



昔からそうだ。いつも本音を呑み込んで、菜月や高峰くんみたいに言いたいことをはっきりと言えない。


こんな自分、私が一番大嫌いだ。



その日は夢を見た。懐かしくて、苦しい夢を…。






「涼花はいつも嘘ばっかり…」