思わず本音を言ってしまってからハッと我に返るが、もう遅かった。



「な、にそれ…。そんな風に思ってたの…?だから私が涼花の嘘話でびびればいいって、そう思ったんでしょ…?」


「あ、違う、違うの…」


「…何が、ここはダメ、だよ…。なんもないじゃん、他の人は普通に通ってるじゃん」


「あのね、有紗…」


「嘘つき!涼花なんて大嫌い!」



有紗は目いっぱいに涙を溜め、私を鋭く睨みつけていた。



「涼花はいつも嘘ばっかり…」



有紗は小さくそう呟くと、点滅している信号を駆けて行った。



「待って…っ」