一度崩れてしまったら、もう元に戻すことなんてできないんだ…。





「…え、あれ、ここどこ…?」



目を覚ますと、気づくと最寄駅なんてとっくに過ぎていて目の前に海が広がっていた。



今日は一日中好奇の視線や軽蔑の視線など、たくさんの人から人生で一番注目された日だった。


しかも菜月ともちゃんと話せないまま放課後になってしまい、精神的に疲れて電車でうたた寝をしていたら、いつの間にか終点まで来てしまったようだ。



「ここ…」



とりあえず電車を降りると、着いた場所が見慣れた場所なことに気づいた。


お母さんが再婚する前に、昔のお父さんと三人で暮らしていた家のある場所。


私の生まれ育った街だった。