…そういうことか。


ただお礼ということで奢ってもらっていただけなのに、勘違いされてしまったんだ…。



「菜月ちゃんは涼花ちゃんも高峰くんを好きだったってことなんかはどうでもよくて。嘘つかれてたことが相当ショックだったみたい。友達で、信じてたからこそ…」



鳴ちゃんは「ごめんね、私は菜月ちゃんのところに行く」と呟くと、菜月の後を追って教室を出て行った。



違うのに。本当は違うって叫びたいのに。


喉が締め付けられたかのように言葉が出てこなかった。



–––––「嘘つき!涼花なんて大嫌い!」



「…っ」



苦しい過去が、私の喉を締め付けている。


本当のことを言ったって、無駄だって知っているから。