「涼花、昨日妹のお迎え行くって言ってたよね?なのに放課後、高峰くんと一緒にいたんでしょ?私に嘘までついて、高峰くんと会ってたんでしょ!」



ばんっと力任せに机を叩き立ち上がった菜月に、驚いて目を丸くする。


さっきまで騒がしかった教室内が一瞬で静まり返った。



「…別に、涼花も高峰くんのこと好きだったんなら好きだって言ってくれればよかったじゃん。付き合ってるなら尚更。…それなのに涼花はあたしの気持ち知ってるくせに、自分の気持ちは隠して裏でコソコソ高峰くんと会ってたなんて…最低だよ。嘘つき!」


「え?あ、菜月…!」



菜月は泣きながら教室を飛び出していった。



「涼花ちゃん」



菜月を追いかけたいのに足が動いてくれなくて、呆然と立ち尽くしていると鳴ちゃんが目の前に立った。



「あのね私もよく知らないんだけど、昨日涼花ちゃんと高峰くんが一緒にハンバーガー屋にいたのを隣のクラスの子が見たらしくて。ほら、高峰くんって目立つ人だからすぐにその噂が広まっちゃって、すっかりみんな涼花ちゃんと高峰くんが付き合ってるって思ってるみたい」