「あ、ちょっと!返してよ!」


「なんだよ、こういう時だけ嫌って言ってきて」


「それとこれとは別でしょー!」



高峰くんとポテトの取り合いをしながら、自然と素で話している自分に気づいた。


いつもだったら色々考えてから話すというのに、不思議と高峰くんと話している時は考えるよりも先に言葉が出てくる。



…高峰くんは少し他の人よりも特別なのかもしれない。


そう思いながら、無邪気に笑う高峰くんに心臓の音が少し早くなったのを感じた。





次の日、いつも通り登校をすると、なぜか周りからの視線を集めているように感じた。


不思議に思いながらも教室に入ると、ちょうどロッカーに荷物を取りに来ていた菜月と目が合った。



「あ、菜月、おは…」