公園の看板にもたれかかるようにして立っていた高峰くんに今気づき、驚いて変な声を出してしまう。



「蒼はおまえと話す時だけ笑顔を見せる。俺がどんなに聞き出そうとしてもわからなかった未練もすんなりわかったし、自分が死んだこともおまえの言葉でちゃんと気づけた。どうせ今回も断れなくて引き受けただろうに、ちゃんと向き合ってくれて助かってる。ありがとな」


「え、いや、そんな…」



高峰くんこそ、家が真逆なはずなのにわざわざこの公園まで来たということは、アオくんが心配で様子を見に来たんだろう。


私なんかよりもよっぽど優しくてお人好しな人だ。


…そんなこと、口が裂けても言えないけど。



「…たしかに、最初は断れなくて引き受けちゃった部分もあるけど、アオくんの力になりたいって思ったから。だから、私は最後までちゃんと付き合うよ」


「ああ、おまえが断れない性格でよかったって思ったよ」



子どもをあやすようにぽんぽんと頭を撫でられ、びっくりして目を丸くする。


高峰くんが柔らかく笑ったまま、「学校行くぞ」と歩き出しハッと我に返ってからその後を慌てて追いかけた。