「…へ？」



本の束をドサッと渡され、思わず転びそうになる。



「名前順に棚に入れてくれればいいから。じゃ、俺はあっちやる」



向こう側の棚に同じく本の束を持って行ってしまった高峰くんの背中をじとっと睨みつける。



どうして私が…。


まあ断れない私も悪いんだけどさぁ…。



「あ、こんなとこにいたー！涼花ちゃーん！」



図書室にはそぐわない大きな声で名前を呼ばれ振り向くと、たまに持っているお菓子を交換し合う仲の深村鳴(ふかむらなる)ちゃんがきれいに巻いた髪の毛を揺らしながら駆け寄ってきた。



「どうしたの？」