「は?あ、涼花!」



やっぱりアオくんが気になってしまい、今来た道を走って戻る。



「アオくん!」


「…涼花ねぇちゃん?」



パッと顔を上げたアオくんが、きょとんと首を傾げながら不思議そうに私を見てきた。



「何してるの?」


「ありさん見てたの。あのね、ここにありさんのおうちがあるんだよ」



アオくんが地面の隅っこに空いているありの巣を指差して、にこっと笑った。



「僕、みんなから無視されるんだ」


「…え?」