「…真村蒼(まむらあおい)です、六歳です」



テンプレートのような自己紹介をした蒼くんが、恐る恐るといった様子で私を見上げてきた。


…ん?蒼…六歳…。



「…もしかして、アオくん?」


「え?僕のこと知ってるの…?」


「あのね、私、鈴宮晴香の姉なの。アオくんの友達…だよね?」


「ハルちゃん!?」



アオくんがぱっと目を輝かせてブランコを飛び降りた。



「ハルちゃんのおねーちゃんなの?ハルちゃんは僕が一番仲良いお友達!僕ね、ハルちゃんともう一度会いたいんだ!」



アオくんの未練は、晴香ともう一度会いたいことだったみたいだ。