「じゃあ早くお靴履き替えようね」
「はーい!」
元気よく返事をした晴香が、靴箱に上履きをしまいに走っていった。
「晴香ちゃんね、アオくんっていう六歳の男の子と最近仲良くてね。本当の兄妹のように毎日一緒にいたから、なかなか言い出しにくくて…」
「言い出しにくい?」
「先週の火曜日に、保育園の帰り道でアオくんとお母さんが信号無視をしてきた乗用車に撥ねられちゃって、お母さんの方は重体だけど命に別条はなくて。だけど、アオくんが…」
「晴香ちゃんばいばーい」と友達に声をかけられ笑って返している晴香を見て、ずきりと胸が痛む。
晴香は何も知らないんだ。
お兄ちゃんのように慕っていた友達が、急に亡くなってしまったなんて。
「晴香ちゃんにはアオくんはずっと熱で休んでるって、嘘をついているの。まだ小さいし、本当のことを言ってもわからないと思うから…。でもね、ずっと嘘をつき続けるのは晴香ちゃんにとってよくないことだってわかっているのよ」
「はーい!」
元気よく返事をした晴香が、靴箱に上履きをしまいに走っていった。
「晴香ちゃんね、アオくんっていう六歳の男の子と最近仲良くてね。本当の兄妹のように毎日一緒にいたから、なかなか言い出しにくくて…」
「言い出しにくい?」
「先週の火曜日に、保育園の帰り道でアオくんとお母さんが信号無視をしてきた乗用車に撥ねられちゃって、お母さんの方は重体だけど命に別条はなくて。だけど、アオくんが…」
「晴香ちゃんばいばーい」と友達に声をかけられ笑って返している晴香を見て、ずきりと胸が痛む。
晴香は何も知らないんだ。
お兄ちゃんのように慕っていた友達が、急に亡くなってしまったなんて。
「晴香ちゃんにはアオくんはずっと熱で休んでるって、嘘をついているの。まだ小さいし、本当のことを言ってもわからないと思うから…。でもね、ずっと嘘をつき続けるのは晴香ちゃんにとってよくないことだってわかっているのよ」