「未練解消ができたんだ」


「…え?」


「ほら、見てみろ」



高峰くんが指を指す先には、どんどんと透けていく華澄さんの姿が。



「私の未練はね…変わりたい…強くなりたい、だったの」


「自分の強さに気づけたから、未練は解消だな。よく頑張ったな、華澄」



華澄さんはふわりと優しく微笑んだ。



「嫌だ…っ。華澄、行かないでくれ…」


「ごめんね、尊くん。私、必ず来世でも尊くんを見つけるから!次こそ、自分の強さに、自分で気づくから!だから、お願い…。待ってて?」


「…っ。…わかった。ずっとずっと待ってるから!だから…。必ず帰ってきてくれ」



華澄さんの姿はほぼもう見えなくなってきている。