その隣には高峰くんもいて、少しホッとする。



「涼花、一体どこに行くの?」


「もうすぐ着きますよ。私のお気に入りの場所なんです」



学校を出て、十分くらい歩いたところに、私のお気に入りの公園がある。


近くにもっと大きな公園ができてから、そっちに子供は流れてしまいこの公園を利用する人は全くと言っていいほどいない。



今日も少し古びたブランコと、小さな滑り台、ギリギリ二人が座れるベンチがポツンと私たちを待っていたかのように置かれているだけだった。


そして、ブランコの隣には今はもうほとんど散ってしまったが、中庭よりも立派な桜の木がある。


振り向くと、華澄さんは公園の入り口で立ち止まっていた。



「えっと…桜の木好きなのかなって思って連れてきたんですけど、間違ってましたか…?それにここは静かだから学校より気晴らしになるんじゃないかなって…」



何か間違ってしまっただろうか…?