「今日図書委員の仕事あるのに、美容院行かないとで…高峰くんと仲良くなれるせっかくのチャンスなのにぃ!」



どうやら、高峰くんとの委員会の仕事ができないことを悲しんでいるらしい…。



「それは…しょうがないね。でもさ、委員会ならまた次があるじゃん!ね?」



あまりにも落ち込んでいる様子の菜月を慰めてあげたくて、必死に頭を働かせて言葉を紡ぐ。



「そうだよね…。はっ!やば、もうこんな時間!あ、ごめんなんだけど涼花、高峰くんにあたしが今日行けないこと伝えといて!」


「…え?ちょ、なつ…」


「本当ごめん!よろしくねー!」



菜月はさっさと教室を出て行ってしまった。


そ、そんな…。高峰くんと話したことなんてないのにー!





とりあえず、重い足どりで図書室の前まで来たけど…なかなか扉を開けられない。