「華澄さんの未練って…?」


「わからない。覚えてはいるみたいだが、教えてくれないんだ。華澄の49日まであと一週間だというのに…」



もうすぐ予鈴が鳴ってしまう。



…でも、なんだか放っておけない。


菜月たちにはお腹が痛くて保健室に行ったと後で謝っておこう。



「鈴宮涼花…?」



怪訝そうに高峰くんが私の名前を呼ぶが、足を止めない。


華澄さんが近づく私に気づいたのか、ゆっくりとこちらを見た。



「…あなたも、私が見えるの?」



華澄さんの声は、見た目の儚い感じにぴったりで透き通ったきれいな声だった。