スマホをポケットに入れると同時に、フルネームで名前を呼ばれ、振り返ると高峰くんが真っ直ぐにこちらを見つめて立っていた。



「悪かった!」



大声で謝罪をされ、驚いて目を見開く。


クラスメートも何事かとこちらを見ている。



「ちょ、高峰くん…!こっち来て!」



慌てて高峰くんを引っ張って、人通りの少ない中庭辺りまで連れていく。



「どういうこと?なんで急に謝って…」


「昨日、俺の思い込みで勝手に話を進めていたが、何も見えてないおまえにとっては意味がわからなかっただろ。だから決めつけてあんなこと言って、悪かった」


「えっと…。混乱しててよくわかんないんだけど…黒い影、みたいなのなら私見えてたよ…?」


「…は?おまえやっぱり霊が見えてるじゃねぇか」