「私のことバカにしてるんでしょ?晴香を助けてくれたことはありがとう。だけど、人のことバカにして楽しい!?」



自分でも驚いた。


こんなにありのままの気持ちをぶつけたのは、いつぶりだろう…。



「もういい。さようなら」



晴香の手を引いて、明里くんに背を向けて足早に立ち去る。



…まだ、手が少しだけ震えていた。


きっと、過去の記憶が揺さぶられたからだ。


思い出さないようにきつく目を閉じると、少しだけ落ち着くことができた。


幽霊とか、そんなもの…いるわけない。





「でね、平良と今日デートするんだぁー」