伝えようとすると、何かが私の喉を締め付けるんだ。


うまく言葉が出てこなくて、結局作った言葉を言ってしまう…。



朝の夢を思い出しそうになり、慌てて違うことに集中する。



「涼花。さっきのことは気にすんな」



一緒に家を出た政弥が、前を向いたままぽつりと呟いた。



「誰にだって苦手なことくらいある。だから、気にするな」


「…うん、ありがとう」



政弥は私を心配してくれているのか、いつも気にかけてくれる。


高校だって、私が落ちた都立に受かったのに、それを捨てて私と同じ私立に来てくれた。


きっと、私の過去を知っているから、こんな風に気を遣ってくれるんだろう。


それがすごく申し訳なかった。