明日生きていく世界で君に想いを伝える

「え、ありがとー!五巻のここがすごくキュンキュンしたー!」


「わっかる!ここは神シーンだよね!」



舞ちゃんと顔を見合わせながら、紫乃ちゃんは笑った。



「ねえ紫乃。中二の冬にある修学旅行までには、学校に戻って来れる?」


「…うん、当たり前じゃん!」



今は、中二の秋に入った九月のある日。


医者とお母さんが話しているのをたまたま聞いてしまった時は、私の病状はかなり深刻で修学旅行が迫っているのに学校に戻れる確率は極めて低かった。


だけど、紫乃ちゃんは、それでも行けると自分だけは信じていたかった。


いつか舞ちゃんと一緒に中学校に通って、漫画みたいな恋愛をしたいとそう本気で願っていたから。



「あのね、紫乃。私、好きな人ができたの。同じクラスの男の子なんだけど、みんなの中心にいるような子でね」