「いや、邪魔とかじゃないし。あいつはただの友達だし。そもそも、三芳のこと追って来てる時点で優先順位の違いは歴然だろ」
早口でそう言った川名の言葉に、胸がドクンと高鳴る。
「昼休みにも言ったけど、昔からずっと俺の目を惹くのは三芳だけなんだ、って。どこにいても何してても。だから……」
首に手をあてた川名が、照れ臭そうに視線を下げる。
「これからはもう少し近くで三芳のこと気にかけてていい?」
「ありがとう」
はにかむ私に、川名がくしゃりと笑う。
昔はあたりまえにそばで見ていたはずの彼の笑顔が、今は甘苦しい愛おしさで私の胸を締め付けた。
落ち込んだ日も、悲しい日も、彼がそばにいてくれたら、それだけで笑えるような気がする。
今日も明日も明後日も。明後日の、その先も。
【完・明後日も、その先も。】