今、僕の目の前には美しい世界が広がっている。

多種多様個性様々な人々や動物たち、文化が存在しており、人々は助け合い、動物を愛で、異なる文化間との交流も図りながら生活している。

また、食べ物の種類も豊富で、僕たちは毎日飽きることなく自分の腹を満たすことができる。


職業においても、農家、お花屋さん、スポーツ選手といったたくさんの職種が存在する。

これらの職業は家柄などによって決まるのではなく、僕たちの努力次第で決まる。

そのため僕たちは日々勉学や修練に励み、自分のなりたい職業につくために努力している。



移動手段も豊富にあり、高速で大地を走る乗り物、空を飛ぶことができる乗り物、海を渡ることの出来る乗り物などがある。

そのため、僕たちは世界各地を旅することができ、もし自分で望めば世界の果てにまでも行くことが出来るのだ。



そしてもちろん、この世界にも魔法が存在する。

僕たちがある道具に特殊な言語で呪文を唱えると、その通りに魔法が実行される。

だからこの世界には魔力量という概念は存在せず、努力さえすれば誰でも魔法を使うことが出来るのだ。

ただ、呪文を唱える特殊な言語はややこしく、魔法の構成も複雑なため、多くの人々は途中で挫折してしまう。

特に僕たちの文化圏ではこの特殊な言語との相性があまり良くないそうだ。

そのため魔法使いは高給取りであり、人々、特に若者から羨望の眼差しを向けられている。

しかし、自分で魔法を使うことができないといっても、魔法使いが既に魔法を中に記録している道具を使えば、僕たちも魔法を使うことができる。

これもこの世界ならではの良い点であると言えるだろう。


そしてなにより良いことは、この世界には人々を脅かす魔王がいないことだ。

時々人類を脅かすような存在が現れることもあるが、たいていは人々が協力して戦えば倒すことができる。

圧倒的な力を持つ魔王がいないため、たとえ勇者がいなくても僕たちは自分たちの手で平和を掴み取ることができるのだ。



ある時は仕事に精を出し、ある時は家族と旅行に行き、ある時は愛しい人との愛を育む。

ここはそういったことが当たり前に出来る世界なのだ。

たくさんの人々や動物たち、文化があって、美味しい食べ物があり、いろんな職業もあって、世界のどこにでも旅に出掛けることができる。

そして魔法があって魔王がいない。



僕たちが生きる()()()()こそが、他のどんなファンタジーの世界よりもファンタジーだと言えるのではないだろうか。