試合終了の合図が鳴った時、私は、ただただ驚いて得点版を見ていた。
 63対65。

 まさか……。

「……優勝」

 私はつぶやく、会場が待っていたように沸いた。
 こんなことがあるだろうか。

 私は絶対に無理だと思っていた。
 でも、蓮が、みんなが、その『無理』という気持ちを変えた。