もう約束とか、どうでもいい。
 あんなに頑張っていた。私は、このチームに優勝してほしいんだ。

「蓮! 必ず勝って!」

 私が叫ぶと、蓮は驚いたようにこちらを見た後、いつも通りの笑顔をこちらに向けた。そして拳を上げる。それが、大丈夫だ、と言われたような気がして、私は頷いた。

 会場の観客も初めはほとんどが江戸南を応援していたが、いつの間にかうちを応援する声が増えていた。