決勝戦。相手は昨年全国ベスト8の江戸南。蓮を超える身長の選手が4人もいる『鉄壁』のチームだ。

 試合は江戸南のポイント先取から始まった。さすが、ベスト8というだけあって速攻だ。
 江戸南のキャプテン、藤木がボールをもって、森本先輩とぶつかる。その隙を縫って、蓮がボールを奪った。

 すぐに蓮にマークが二人つく。でも練習で強靭な二人のガードの相手に慣れている蓮は、それを交わしながら、ポイントを取りに行く。3ポイントシュートを放って、決勝で初めての得点となる。

 しかし、それを黙ってみている相手ではなかった。反則ギリギリのガードも多く、体力が削られていくチームメイト。そして、必死になっている蓮を見ながら、私はいつの間にか声が枯れるまで応援していた。