「いざとなったら兄ちゃんが守ってやるからな」
 兄は、今まで見たことないくらい、まっすぐ真剣にそう言った。

 そんな兄を見て心強く思う。涙が出そうになった。

「ありがとう……お兄ちゃん」
「ひよりは、本当に日比谷のこと、好きじゃないのか」
「そんなの、わかんない」
「……そうか」

―――でもきっと、分からなくても、強制的に考えなきゃいけないときは来る。