「蓮さんは、どうも、あなたのことになると必死になるみたいですね」
「なんで……そんな」
「蓮さんはあなたが好きなんですよ。会長も、蓮さんがそんなに必死になれるほどの相手なら、とご結婚も視野に入れられているようです」
「結婚⁉ っていうか蓮が私を好き⁉」
私は慌てて席を立つ。
ちょっと待って。
本人の知らないところで、まさかそんな話まで浮上しているわ、蓮は私のことを好きだとか言われるわ。完全に混乱していた。
「……まさか。ってか、私まだ高校生だよ⁉ そんなの今、考えられるわけない! そもそも、蓮のこと、好きとか嫌いとかそんなこと考えたことない!」
「本当に?」
まっすぐ、校長先生は私を見た。
その視線にドキリとする。
なんだか全部を見透かされるようで、私は目をそらした。