「すごい! これで県ベスト3入り! はじめてだぁ……!」

 森本敦先輩はじめ、部員みんな大喜びだった。正直、私もすごく嬉しい。
 だってこれまで、今までにないほどきつい練習をしてきた。

 みんなが頑張ってる姿も間近でずっと見てきた。
 こんなうれしい事、もう訪れないと思っていたけど、こんな嬉しいことがあるんだ。

 嬉しさに涙ぐむ私を見て、みんなも嬉しそうに笑う。そして口々に言うのだ。

「マネージャー。まだ泣くのは早いよ! 僕ら優勝するから!」

……と。

―――ん? いいけど。いいんだけど。みんな優勝するつもり満々なんだね⁉


「なんか必死になってる日比谷見てたら、なんとかしたくなったんだよ」

 私の中には多少の不安が残ったが、何より、みんなの熱気に何も言えなくなる。
 そして、その時ちょうど目が合った蓮の楽しそうな顔に、急に寒気がした。


―――これ、もしかして、本当に勝っちゃうフラグですかーーー……?