「部活、始まるから行こう」
「わ、わかったから。手。手を……離して」
私が言うと、蓮は手をつないでいたことに気づいたらしく、それをチラリと見た上でニコリと笑う。そしてその持っていた手を上にあげると、その手の甲に、軽く、ちゅ、と口づけた。
「ひっ! ななななななななにすんだ!」
私が顔を真っ赤にして叫ぶと、蓮は飄々とした様子で、
「ごめん、つい」
と笑った。
―――つい、の意味がわからない!
ただ、やけに私の手汗と背中の汗は激しく流れ落ちた。
え、ちょっと待って。
ホント待って。
蓮ってこんな人でしたーーーー⁉
私がどぎまぎしていると、ふと、視線の斜め前、
なぜか校長先生まで驚いて顔を真っ赤にしていた。