翌日、いつものように穏やかな表情をした真人が待ち合わせ場所に姿を現した。



「真人!」



「どうしたの?」



「その、別れてほしい」



「なんで?」



彼は頭が回らなそうな表情をしているけれど、なるべく傷つけないようにはっきり言わなくちゃダメだ。



「真人は何も悪くないの! でも、好きな人ができたから……」



あんまり長々話しても、多分傷つけちゃう。


わたしは真人に今他の人のことを好きになったから別れてほしいって言ったから……。



「さようなら……」



わたしは、そのままくるりと背を向けてその場を去った。