「志津香(しづか)って羨ましいなあ。いつも彼氏さんにお姫さま扱いしてもらえて」
「ほんと、真人(まひと)くんは王子さまみたいだよねぇ」
わたし、坂下 志津香(さかした しづか)の彼氏である梅崎 真人(うめざき まひと)について知っている人は、口揃えてそう言った。
それは、間違いじゃない。
いつか彼がネックレスを買ってくれた時だって。
「はい、これ。志津香に似合うと思って買ったんだ」
「わあ、嬉しい!」
「気に入ってくれたみたいだな」
「うん、ありがとう!」
わたしがネックレスを首にかけると、真人はもっといい笑顔になってくれた。
「やっぱり思った通り、似合うよ。さすが、俺のプリンセス」
いつも『俺のプリンセス』なんて言っていう彼は、まさに王子さまのスマイルだった。
「ふふっ。恥ずかしいよぉ」
優しいし、もちろんわたしも最初は彼のことが大好きだった……。