そして、俺にとって運命の日がやって来た。

会社の近くのコンビニに俺は通い始めた。

それはお目当ての女性がいるからである。

まだ一度も話した事がない。

今日もコンビニに向かう、今日こそと缶コーヒーを手に取りレジへ向かう。

「こちらへどうぞ」

他のレジの女性が俺に声をかける。

二度目の挑戦、俺は缶コーヒーを手に取って、彼女のレジへ向かう。

俺の机の上の缶コーヒーを驚きの表情で見たのは同期の中村だった。

「どうしたんだ、この缶コーヒー、お前そんなに好きだったか」

俺の机の上にある缶コーヒーは十本あった。

そりゃあ誰だって驚くだろう。

「レジに十回並んだ、名前は浜咲琴葉、三十五歳、独身で彼氏いないってさ」

「マジかよ」

「浜咲琴葉、めっちゃ可愛い名前だよな」

「お前さ、ほんとに積極的だよな」

中村は俺と真逆で気に入った女性がいても声をかけられないタイプだ。

「今度はデートに誘うぞ」

「まっ、頑張れ、でも三十五じゃ相手にされないんじゃないか」

「だよな、からかわれていると思われるのがオチだな」

でも俺は絶対にデートしてみせると意気込んでいた。

早速次の日、俺は彼女の働いているコンビニに向かった。