それから、私は見えない姿、聞こえない声、触れられない唇の驍と、想像の世界にいた。

「驍、ずっと一緒に居たい」

私は自分の腕で私自身を抱きしめた。

そして急に霊体さんを感じなくなった。

「黄泉の国へ行ってしまったの?」

「霊体さん」

何も感じない。

涙が溢れて止まらなかった。

霊体さんは驍なんだ。

私をずっと愛してくれていた。

ちょっとでも疑ってごめんね、驍。

お願い、私の側に来て。

あなたを感じられない人生は悲しすぎる。

驍、私を抱きしめて。

あと二ヶ月で驍は黄泉の国へ行っちゃう。

一緒に黄泉の国へ行く方法はないの?

生きている人間は黄泉の国へはいけない。

でも、自ら命を絶つことは、地獄を彷徨って、黄泉の国へはいけない。

与えられた寿命を生きなければならない。

驍、教えて、私はどうすればいいの?