「はい、琴葉」

「ありがとう、霊体さん、よく私の好きなお茶の銘柄知ってましたね、やっぱり驍なんでしょ?驍の好きな銘柄のコーヒー買ってるし」

琴葉の言葉に俺はハッとした。

「いや、偶然だよ」

「ふふっ、そう言うことにしておくね」

まいったな、琴葉は可愛い、いつも琴葉は俺に対してわがままを言った事がなかった。


今日は何故だかお願いが多い。

甘えている琴葉に益々惹かれていく自分に気づいた。

「飯食うか」

「うん、私のアパート帰って食べようよ」

えっ?いや、まずいだろ、琴葉とアパートで二人なんて理性が持たない。

「どこか、店入ろうぜ」

「お願い、もう疲れたから帰りたいの」

やべえ、またお願い攻撃かよ。

しかも、琴葉から俺の腕に手を絡ませてきた。

心臓の鼓動が半端ねえ。

琴葉の希望通り、アパートへ向かった。

「座ってて、すぐに作るから」

琴葉は俺の好きなメニューを用意してくれた。

「頂きます」

久しぶりの琴葉の手料理は美味い。