「あのう、その霊体さんって、海斗なんですか」

約束の場所に来た中村が琴葉に聞いていた。

「だから、これからそれを確かめるんです」

「そう言う事」

「あ、霊体さんが来たみたいです」

琴葉は俺を感じ取った。

俺は中村の身体に入った。

「ちゃんと人生生きて行くって決めたか」

「はい」

「それならよかった」

俺は既に心臓の鼓動がドキドキとうるさいくらいに高鳴っていた。

「今日は驍として一日一緒にいてくださいね」

「えっ、俺は」

「わかっています、だから驍として」

琴葉から、手を繋いできた。

咄嗟の出来事にどう対応して良いか分からず、琴葉と手を繋いだままで歩いた。

琴葉は俺を見てニッコリ微笑んだ。

いや、俺じゃない、琴葉はもしかして中村が好きなのか。

「驍、ディズニーランド行きたいな」

「ああ」

なんか変な感じだ。

「ねえ、驍、喉渇いたね、自販機で飲み物買ってきて」

「いいよ」

俺はこの時、何も考えずに自分の好きな銘柄の缶コーヒーと琴葉が好きなお茶を買った。

琴葉も好きなお茶の銘柄があって、自然の成り行きで、琴葉に聞かずに買ってしまった。

いつも決まっている流れに違和感を感じずに……